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一 括 講 読

投稿時間:01/06/21(Thu) 00:13
投稿者名:歯科専学生
Eメール:oregano@orion.ocn.ne.jp
URL :
タイトル:バイオフィルム
今日授業でバイオフィルムについて少しお話を聞きました。
バイオフィルム=プラーク?で多糖体でガードされた細菌の集団だそうですが、多形核白血球とかなんだかちんぷんかんぷんで意味がよく分かりませんでした。
詳しく教えていただきたいです。よろしくお願いします。

投稿時間:01/06/28(Thu) 12:50
投稿者名:Dr.Stinger
Eメール:sata@kdent.net
URL :
タイトル:Re: バイオフィルム
バイオフィルムについて…

近年デンタルプラークをバイヲフィルムとして捉える考えが支持されてます。
最近は液体成分中で浮遊しているよりも、固形基質の表面に付着した
いわゆるバイオフィルムとして生息した方が有利です。

バイオフィルムとは、細菌が増殖する過程で細菌自身の分泌する
菌体外粘液多糖の隠れ家の中で増殖しコロニーを形成した状態をいいます。
また、バイオフィルムは菌を抗体や食細胞から守り、抗生物質の浸透を妨げ
作用しにくくするため、治療を困難にします。

バイオフィルムは歯、小腸、膣、尿路やカテーテルや人工心臓弁の表面に
みられ、強い付着性をもつので剥離は容易でない。
デンタルプラークもこの性格を有すという事です。
プラークは成熟するにつれてプラークの厚みや細菌代謝の結果として
細菌にとって重要な生物学的因子であるpHや酸素分圧、栄養分に偏りが生じてきます。
これによってプラーク中の細菌分布が水平的垂直的に断層化され、
プラーク中での微小環境が作り上げられます。
このような環境が多種多様な物を必要とする微生物の生育を可能とし
均質な環境のもとでは互いに共存できないような複数の菌種の共存を可能にします。
成熟したプラークでは好気的な環境であるにもかかわらず、
多くの偏性嫌気性菌が存在している理由でもあります。

プラークが蓄積して24〜48時間経過すると、プラークに歯質隣接面付近の
酸素分圧が低下し偏性嫌気性菌の構成比率が上昇してきます。
さらに2〜3週間に渡りプラークが熟成を続ければ「熟成した共同体」が
確立されるようになり厚さは50〜100μmに達します。
咀嚼や唾液の影響が及ばない歯冠部、小窩裂溝などではさらにプラークの成熟度は増す傾向になります。

バイオフィルム内は粘着性の高いマトリックスで強固に構築されており
外界からの刺激に抵抗性を示します。強力な殺菌作用を呈する
クロルヘキシジンは細菌が溶液中で浮遊している状態であれば
程んどのプラーク細菌に効果を発揮するが
成熟したバイオフィルムにおいては全く殺菌効果を示しません。
界面活性剤や免疫細胞による食作用、抗生物質療法に対しても強い抵抗性を示します。
ある種のバイオフィルムに関しては内部チャネルの存在が示唆されており
これらは、バイオフィルム全体においてネットワークを張り巡らせており
水路の役目を果たしていようです。このチャネル内では倍をフィルムの液体成分が
毛細管現象により人間の血管の作用と類似してバイオフィルム内及び
外界とを結びイオン交換、栄養素の供給、老廃物の運搬をしていると考えられます。
バイオフィルム内の細菌の代謝速度は非常に遅くなっており生育も制限されています。
この状況下では細菌もわずかな栄養素しか必要でなく、不要な老廃物も
ごく少量しか産生されません。
無栄養価の凍結乾燥状態でも生存していく細菌の性質を考えれば
このチャネルの働きだけで十分なコミュニティーが形成されると
思われます。

まだデンタルプラークをバイオフィルムとして捉えた研究は発展途上ですが
これらの解明によりプラークのバイオメカニズムは明らかにされていくと思います。


最後に、勉強していくうちにこのように専門的なことに関する疑問は
これからも数多く出てくると思いますが、黒猫先生が言われてるように
それの答えを上手に見つける方法を知るのも勉強のひとつだと私は考えます。
この講義をされた先生に直接質問をしてみるのも良いと思いますし、
その方法なら先生が何故その話をしたかの、意図がわかると思います。
勿論ここで質問して頂いても結構ですが、このような専門医学的な質問と
回答は、多くの方が望んでいるわけではありません。

ここでやり取りされた話を多くの人に共有して貰う事が
ここの掲示板の目的のひとつである事もご理解ください。

投稿時間:01/06/23(Sat) 14:15
投稿者名:黒猫
Eメール:qanda@kdent.net
URL :http://www.kdent.net/qanda/index.htm
タイトル:Re: バイオフィルム
> 今日授業でバイオフィルムについて少しお話を聞きました。
> バイオフィルム=プラーク?で多糖体でガードされた細菌の集団だそうですが、多形核白血球とかなんだかちんぷんかんぷんで意味がよく分かりませんでした。
> 詳しく教えていただきたいです。よろしくお願いします。

貴殿の通われている学校には、図書館か図書室はありますか?
そこに貴殿の質問への回答が書かれている本があるはずです。

貴殿の現在の「仕事」は、勉強することです。
私も勉強は嫌いでしたので、あまりえらそうな事は言えませんが、
確実に言える事があります。
簡単に得た知識は、簡単に忘れます。
苦労して得た知識は、その苦労に比例して忘れづらいものです。

簡単に得た知識は、目の前の試験には有効だと思いますが、
卒業してからの臨床には生かされません。
がんばって勉強して下さい。

投稿時間:01/06/23(Sat) 19:00
投稿者名:歯科専学生
Eメール:oregano@orion.ocn.ne.jp
URL :
タイトル:Re^2: バイオフィルム
お言葉ですが、バイオフルムについて全然調べなかったわけではありません。

バイオフルムとは細菌同士が助け合って生きている一種の共同体であり、口腔内にはこれらが付着するのに必要な硬組織の界面が存在している。
そのため、歯や歯根の表面は悪玉菌の住家となる。やがてしだいに合体していき、細菌多糖体とその副産物の集合体(マトリックス)を形成する。
このようなマトリックスを細菌バイオフィルムと総称している。
 また、バイオフルムは抗生物質などの薬が効きにくく、バイオフルム内部に浸透していかないので、この中の細菌の増殖を停止させるためには、通常の500倍の濃度が必要と言われている。
また、同じ細菌の集合体としてのプラークでも「単に歯表面付近で浮遊しているマイクロコロニー」と「硬組織表面に固着した状態のバイオフィルム状のマイクロコロニー」があり、ブラッシングで除去できるのは浮遊しているマイクロコロニーである。
したがって多糖体でおおわれ、成熟したマイクロコロニーであるバイオフィルムはホームケアによるブラッシングでは簡単に除去できず、定期的に歯科衛生士によるPMTCを行ってもらうことが不可欠である。

                 以上

勉強していないわけではありません。勉学は学生の本分ですから。
質問の仕方で誤解をまねいてしまったことはお詫びします。しかし、簡単に知識を得ようとしていると思われたままでは私のきがおさまらなかったのでお返事させていただきました。
はっきりいいますと教科書や書物で調べても限界があります。一つの事に対して事細かに載っているわけではありませんから。
しかも私の学校にはまともな図書館がありません。よってバイオフルムはデンタルハイジーンで調べました。ネットで質問したのは一つの意見ではなく、いろんな先生の意見が聞けると思ったからです。失礼しました。

投稿時間:01/06/26(Tue) 13:47
投稿者名:黒猫
Eメール:qanda@kdent.net
URL :http://www.kdent.net/qanda/index.htm
タイトル:Re^3: バイオフィルム
> 勉強していないわけではありません。勉学は学生の本分ですから。

誤解なさらないで下さい。貴殿を不勉強と申し上げたわけではありません。

> 質問の仕方で誤解をまねいてしまったことはお詫びします。しかし、簡単に知識を得ようとしていると思われたままでは私のきがおさまらなかったのでお返事させていただきました。
> はっきりいいますと教科書や書物で調べても限界があります。一つの事に対して事細かに載っているわけではありませんから。

教科書、書物の限界=現在の研究の限界ですよ。
一つのことに対して、医学書、医学雑誌以上に細かく書いてあるものは
有りませんし、誰にお聞きになられても本に書いてあるそれを超える
答えは返ってきません。(その分野の研究者を除いて)

医学も時として、それまでの定説を覆す論文が発表され自分の知識を
入れ替えなければならない時がありますが、その際もそのソースとなるのは
医学書か医学雑誌しかありません。

> しかも私の学校にはまともな図書館がありません。よってバイオフルムはデンタルハイジーンで調べました。ネットで質問したのは一つの意見ではなく、いろんな先生の意見が聞けると思ったからです。失礼しました。

まともな図書館が無いのは、お気の毒だと思います。
何かを調べたり、学んだりしようとする時に費用が掛かってしまうことでしょう。

デンタルハイジーンも結構だとは思いますが、「いろんな意見」を吸収
したいとお考えならば、歯科衛生士さんの範疇に囚われず、歯学書を
読まれては如何ですか?
口腔衛生学や細菌学の本には、デンタルハイジーンよりも詳しく
載っていると思います。



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