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一 括 講 読

投稿時間:01/04/23(Mon) 00:56
投稿者名:ロフト
Eメール:sakura-u@mua.mr-children.org
URL :
タイトル:大人の歯科矯正について
35歳です。数年前から矯正を考えていましたが、いろいろな手法があることを知り、
踏み切れずにいます。私の歯は、通常一般的に前歯部分が対象になるというよりも、
奥歯の乱れがひどく(上下とも)、ある矯正専門医の初診相談の際に”こんな症例は珍しい、是非学会発表させてくれ”と、言われたほどで、大変磨きにくく、
虫歯にもなりやすい状態です。見た目も大事ですが、何より機能面で十分噛み合わせができていないので、将来の歯周病(おそらく現在も進行しています)
が心配なので、矯正はしたいのです。
ただ、できれば、親知らず以外の歯を抜かずに行いたいのです。
本などで見たのですが、基本的に抜歯をしない矯正は可能なんでしょうか?
また、もし抜歯するにしても、虫歯の歯を選ぶことは可能でしょうか?
実際の歯の状態がわからないところでの質問なので、お答えは難しいかと
思うのですが、
よろしくお願い致します。

投稿時間:01/04/23(Mon) 11:10
投稿者名:矯正専門医
Eメール:fukumashi@yokohama.email.ne.jp
URL :
タイトル:Re: 大人の歯科矯正について
> 35歳です。数年前から矯正を考えていましたが、いろいろな手法があることを知り、
> 踏み切れずにいます。私の歯は、通常一般的に前歯部分が対象になるというよりも、
> 奥歯の乱れがひどく(上下とも)、ある矯正専門医の初診相談の際に”こんな症例は珍しい、是非学会発表させてくれ”と、言われたほどで、大変磨きにくく、
> 虫歯にもなりやすい状態です。見た目も大事ですが、何より機能面で十分噛み合わせができていないので、将来の歯周病(おそらく現在も進行しています)
> が心配なので、矯正はしたいのです。
> ただ、できれば、親知らず以外の歯を抜かずに行いたいのです。
> 本などで見たのですが、基本的に抜歯をしない矯正は可能なんでしょうか?
> また、もし抜歯するにしても、虫歯の歯を選ぶことは可能でしょうか?
> 実際の歯の状態がわからないところでの質問なので、お答えは難しいかと
> 思うのですが、
> よろしくお願い致します。

小臼歯を抜かずに矯正をする事が、大切だと、
何でもかんでも小臼歯を非抜歯で矯正治療をする先生が出した本を読んだ事あります。
しかし顔写真は1枚ものっていませんでした。

抜歯・非抜歯論争は1930年代にアメリカでおきて、現在は通常行われていることです。
私も矯正専門で開業して私自身の治療を含めて、小臼歯抜歯して多くの患者さんを治療しました。

それが正しかどうかは別にして、実際、他医院で小臼歯非抜歯で治療途中、当院に来院して小臼歯抜歯してやり直したケ−スは最近多く見られます。

つまり小臼歯を抜くか、親知らずを抜くか、非抜歯か顎切手術を併用するかは、複雑な矯正診断で決定するのもです。

小臼歯を非抜歯で叢生を改善するには
1.大臼歯を奥に動かす。
2.前歯を前にだす。
3.横に拡大する。

1.はmm数に限界があります。
多くは2.で治療後カッパさんみたいな口元で、
唇が閉じにくく、頤筋(唇を閉じると顎に梅干しの様な緊張がはしる)の緊張を伴った口唇閉鎖不全を招くのです。
3.でやたら拡大して犬歯が歯槽骨から飛びだして歯根が露出したケ−スを見たことがあります。歯槽膿漏や予後の安定性に疑問を感じました。

私や多くの(特に米国)の矯正専門医に、そこまでして小臼歯を非抜歯にする価値が理解できません。

ロフトさんが小臼歯非抜歯にこだわっている理由もわかりませんが、
矯正専門医が学会発表したいほどの叢生を「小臼歯非抜歯でお願いします。」とうのは、

「船にも飛行機にも乗りたくないがこの島までいってください」
と言っているようなもので、島が江ノ島や城ケ島なら「泳いで行きましょう」と旅行専門業者は言うかもしれません。

もしハワイならどうでしょう?
「ハワイまで泳いで行きましょう」と言う、旅行会社にはハワイまでの距離を測る診断力があるとは思いません、理論的には可能でしょうが現実的ではありません。

私がそのような要求しれたら、断るか電車で「常磐ハワイアンセンタ−」へ行って「アロハ!」と言ってください。というだけです。

矯正診断学は複雑で重要なものです。患者さんの顔色を伺って行なうものではありません、もちろん治療方針決定には患者さんの主訴を考慮します。また最終的に治療を行なうかどうかも患者さんです。

インホ−ムドコンセント(情報を知らせて、同意)からインフォ−ムドチョイス(情報を知らせて、患者さんが選択する)が重要です。

私はいつも患者さんに言うのですが「矯正治療をやらない」というのも
立派な選択肢です。

色々な専門医の意見を聞いてロフトさんが判断するべきです。

投稿時間:01/04/24(Tue) 00:25
投稿者名:ロフト
Eメール:sakura-u@mua.mr-children.org
URL :
タイトル:Re^2: 大人の歯科矯正について
早速のご返事、ありがとうございます。

> 小臼歯を抜かずに矯正をする事が、大切だと、
> 何でもかんでも小臼歯を非抜歯で矯正治療をする先生が出した本を読んだ事あります。
> しかし顔写真は1枚ものっていませんでした。
>
私が読了した本は、『歯並びの悪さは、大体がいい形で生えてくるべき
歯が、親知らずであったり、その他の影響で、横にゆがんで生えた結果
であり、その根本からのゆがみを直せば、(小臼歯に限らず)通常歯の抜歯を
しなくても矯正が可能である。また、根本からのゆがみを直すので、抜歯矯正より、矯正後の可逆性もはるかに少ない』という内容のものでした。

> 抜歯・非抜歯論争は1930年代にアメリカでおきて、現在は通常行われていることです。
> 私も矯正専門で開業して私自身の治療を含めて、小臼歯抜歯して多くの患者さんを治療しました。
>
> それが正しかどうかは別にして、実際、他医院で小臼歯非抜歯で治療途中、当院に来院して小臼歯抜歯してやり直したケ−スは最近多く見られます。
>
> つまり小臼歯を抜くか、親知らずを抜くか、非抜歯か顎切手術を併用するかは、複雑な矯正診断で決定するのもです。
>
> 小臼歯を非抜歯で叢生を改善するには
> 1.大臼歯を奥に動かす。
> 2.前歯を前にだす。
> 3.横に拡大する。
>
> 1.はmm数に限界があります。
> 多くは2.で治療後カッパさんみたいな口元で、
> 唇が閉じにくく、頤筋(唇を閉じると顎に梅干しの様な緊張がはしる)の緊張を伴った口唇閉鎖不全を招くのです。
> 3.でやたら拡大して犬歯が歯槽骨から飛びだして歯根が露出したケ−スを見たことがあります。歯槽膿漏や予後の安定性に疑問を感じました。
>
> 私や多くの(特に米国)の矯正専門医に、そこまでして小臼歯を非抜歯にする価値が理解できません。
>
> ロフトさんが小臼歯非抜歯にこだわっている理由もわかりませんが、
> 矯正専門医が学会発表したいほどの叢生を「小臼歯非抜歯でお願いします。」とうのは、
>
> 「船にも飛行機にも乗りたくないがこの島までいってください」
> と言っているようなもので、島が江ノ島や城ケ島なら「泳いで行きましょう」と旅行専門業者は言うかもしれません。
>
> もしハワイならどうでしょう?
> 「ハワイまで泳いで行きましょう」と言う、旅行会社にはハワイまでの距離を測る診断力があるとは思いません、理論的には可能でしょうが現実的ではありません。
>
> 私がそのような要求しれたら、断るか電車で「常磐ハワイアンセンタ−」へ行って「アロハ!」と言ってください。というだけです。
>
> 矯正診断学は複雑で重要なものです。患者さんの顔色を伺って行なうものではありません、もちろん治療方針決定には患者さんの主訴を考慮します。また最終的に治療を行なうかどうかも患者さんです。
>
> インホ−ムドコンセント(情報を知らせて、同意)からインフォ−ムドチョイス(情報を知らせて、患者さんが選択する)が重要です。
>
> 私はいつも患者さんに言うのですが「矯正治療をやらない」というのも
> 立派な選択肢です。
>
> 色々な専門医の意見を聞いてロフトさんが判断するべきです。

まさに、おっしゃる通りです。
実際の治療経験からの具体的な臨床情報を、ありがとうございます。
私は”小臼歯の”非抜歯にこだわっている、というわけではないんですよ。
インホ−ムドコンセントからインフォ−ムドチョイスという意味で、
悪影響を及ぼす親知らず以外は抜歯をしない、非抜歯矯正する事とは、
どれほど実際の臨床として可能な選択肢なのか、いろいろなご意見を
伺いたかったのです。
門戸を叩いた複数の専門医は、皆抜歯矯正のご意見だったので。
 抜歯に慎重な理由の内訳としては、その方法や部位が専門医により
全く異なっていた事(口腔外科での手術の必要性をいわれたり、その必要は皆無だったり、抜歯数も様々でした)と、
私自身が、かなりなアレルギー体質で、薬や痛み止めにも制限がある事等
があります。
 高額を覚悟で、更に複数の矯正診断をあおぐ前に、非抜歯矯正について
ネット上で情報を収集できないかと思った次第です。
むろん、正確には複雑で重要な矯正診断が必要であることは、
よくわかっています。
 おっしゃるように、一般的には小臼歯が抜歯の候補に挙がることが
多いんでしょうか?
小臼歯を非抜歯で叢生を改善するには
> 1.大臼歯を奥に動かす。
> 2.前歯を前にだす。
> 3.横に拡大する。
とのことですが、私の場合大臼歯及びその隣の歯そのものが、
まっすぐ縦に並ぶべきところを横に並んでいるような状態なので、
なかなか難しいのだろうという事は考えられます。
また、既に大分前歯も前に出ていまして・・・・
あごが小さいものですから、横に広げるのも無理がありそうですね。

投稿時間:01/04/24(Tue) 12:29
投稿者名:矯正専門医
Eメール:fukumashi@yokohama.email.ne.jp
URL :
タイトル:Re^3: 大人の歯科矯正について

>  抜歯に慎重な理由の内訳としては、その方法や部位が専門医により
> 全く異なっていた事(口腔外科での手術の必要性をいわれたり、その必要は皆無だったり、抜歯数も様々でした)と、
> 私自身が、かなりなアレルギー体質で、薬や痛み止めにも制限がある事等 があります。

同じ大学の症例検討会でも抜歯部位や治療方針で何時間も
1つの症例で議論(半分けんかごしで・・)します。

つまり臨床は1+1=2 になるようなものではないのです。
つまり議論されている抜歯部位や方針をどれをやっても矯正専門医
はそれなりの結果に納めます。しかし、効率やその患者さんにとって
1番いい結果にしたいから議論がたえないのです。
当院も矯正専門医が3人います。3人3様の意見を出すことがあります。
議論して治療方針を決めます。院長の私の意見が優先したりすることは
ありません。私も納得したら若い先生の意見に従います。

相談した先生方が違う意見なので不安になるかもしれませんが、
横浜から成田に行くのに、普通の道で行くか、京葉道路か、高速湾岸線で行くか、アクアラインを使うか渋滞や距離を見て議論しているようなものだと思って下さい。
しかし、医療の場合、目的地を見つけだすのが難しいと思います。
先生によっても目的地がちがえば方法もおのずと違ってきます。

投稿時間:01/04/25(Wed) 00:46
投稿者名:ロフト
Eメール:sakura-u@mua.mr-children.org
URL :
タイトル:Re^4: 大人の歯科矯正(非抜歯)について
お返事ありがとうございます。

 効率やその患者さんにとって
> 1番いい結果にしたいから議論がたえないのです。
> 当院も矯正専門医が3人います。3人3様の意見を出すことがあります。
> 議論して治療方針を決めます。院長の私の意見が優先したりすることは
> ありません。私も納得したら若い先生の意見に従います。
>
大変民主的な、熱い医療現場であるご様子が伝わってきます。
そこから、信頼関係も育つんでしょうね。

 医療の場合、目的地を見つけだすのが難しいと思います。
> 先生によっても目的地がちがえば方法もおのずと違ってきます。

本当にそうですね。
蛇足ですが、私も医療分野で仕事をしているので、
患者さんの希望と医療的ニーズの違いや、様々な背景からくる、
目的地設定の困難さを、日々感じています。
 だからこそ、患者としては自分の目的地ニーズに合うように
専門家にきちんと意志を伝え、同じ目的を共有できるようにした上で、
選択肢として可能な情報提供を受けなくてはならないんでしょうね。
 難しいところです。
私としましては、非抜歯矯正も可能性の選択肢に含んだ
情報提供を受けたいのですが・・・。
あいにく読了した本は現在手元にないので、著者の専門医を尋ねる
資料もありません。ネットアドレスのみ調べましたが、詳細が不明で、
尋ね当てられませんでした。
 先生が非抜歯をお薦めしない理由は、前回丁寧に教えて頂きましたので、
申し訳ない気がするんですが、もし選択肢の情報もお持ちでしたら、
是非教えてくださいませんか。
 様々な先生方にご意見を伺うほど迷ってしまいそうな気もするんですが、
非抜歯の先生のご意見はまだお聞きできていないので・・・。
どなたがそうした方法論をお持ちなのか、
患者としてはひとつひとつ門戸を叩く以外、手段がありませんので・・・。
先生方それぞれの方法論の情報提供を受けたうえで、
自分自身が判断するしかないと思っています。
何分年数や費用が沢山かかることなので、慎重になってしまいますが、
矯正の意義や必要性は十分自覚がありますので。
 どうぞ、よろしくお願いいたします。



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