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一 括 講 読

投稿時間:01/04/11(Wed) 16:56
投稿者名:yukako
Eメール:yukako@happy.email.ne.jp
URL :
タイトル:矯正について
矯正治療を終え、現在保定期間中です。歯並びは良くなったのですが、前歯4本の歯根が半分になってしまいました。矯正治療において、このような重篤な歯根吸収はおきるものなのでしょうか?具体的に、データがあれば教えて欲しいです。矯正前は歯根に何も問題はありませんでした。長持ちさせるためには、動く歯4本を固定したほうがいいのでしょうか?歯の寿命が短くなってしまいましたので、その部分にインプラントすることは可能でしょうか?よろしくお願いします。

投稿時間:01/04/15(Sun) 11:18
投稿者名:矯正専門医
Eメール:fukumashi@yokohama.email.ne.jp
URL :
タイトル:Re: 矯正について
> 矯正治療を終え、現在保定期間中です。歯並びは良くなったのですが、前歯4本の歯根が半分になってしまいました。矯正治療において、このような重篤な歯根吸収はおきるものなのでしょうか?具体的に、データがあれば教えて欲しいです。矯正前は歯根に何も問題はありませんでした。長持ちさせるためには、動く歯4本を固定したほうがいいのでしょうか?歯の寿命が短くなってしまいましたので、その部分にインプラントすることは可能でしょうか?よろしくお願いします。

矯正治療のリスクのなかに歯根吸収という問題があります。
私は矯正科に所属していましたが、病理で学位論文を取っている関係上、答えさせて頂きます。

1999年のSanDiegoのAmerican Association of America(全米矯正学会で)
歯根吸収についてのシンポジュ−ムがありました。
そこでの結論は
1.歯根吸収は矯正治療しなくてもおこる、こともあるしおこらないこともある。
2.矯正治療したら必ずおこる。つまり強制力を与えると破骨細胞が遊離されて骨が吸収して歯移動するが、歯を溶かす破歯細胞も基本的に同じ細胞。しかし、レントゲン上で確認できるのは希。
3.歯根側壁の吸収はセメント質の再添加がおきますが、歯根先端の吸収は非可逆的。
4.歯根吸収の傾向は遺伝的な傾向がある、兄が吸収していると弟もしやすい。しかし、どのような原因は真に作用しているかは、不明、現在沢山の病理学者が研究中。

私も2000名以上矯正患者を治療してきましたが、歯根吸収を多く経験していますが、それが原因で抜けたとか生活に問題がでた症例はありません。但し、老化とともに歯槽膿漏に罹患すると歯根の長い歯よりは早く抜けやすくなるような気がします。(論文的根拠未確認)

矯正治療中は歯は動揺するものです。現在の歯根吸収によって動揺がとまらなかった経験は私はしたことがありません、またインプラントについては歯牙が抜けたら考えてもいいかとおもいます。
つまり歯根吸収は骨添加性吸収をしますので歯槽骨がやせ落ちてインプラントが不可能になる可能性は少ないと思われるからです。

どちらにしても主治医とよく相談されるといいでしょう。



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