６３歳（女）。９年前に大阪で下両横４本をインプラントにした後すぐに下田へ転居しました．医師より「これで一生大丈夫」と言われていたのに、今年の２月、歯石をとってもらいに近くの医院へ行ったところ「左奥から６番目のインプラント部分が化膿している。すぐに治療をする必要があるが当医院では出来ない」といわれたため２月２１日に東京医科歯科大学へ行った。そこで「骨が溶けている可能性がある、治療をするにはインプラントを抜いてしまうはなければならないが、その一本を抜くと＊他のインプラントが支えきれなくなる＊話がしにくくなる＊食べ物が噛みにくくなるというデメリットがある」といわれた。話がしにくくなってしまうと
仕事が出来なくなるので、あと２年、退職するまでこのまま置いておきたいと思っている。しかし医師は「このまま放っておくと化膿を繰り返すし、骨髄炎の可能性もある」というので「では、手術をして下さい」というと「本当に抜いてもいいのですか？」と聞かれるので、どうすればよいのかわからなくなっている。このまま放っておくと骨髄炎が進行して顎の骨にまで炎症が拡がったりするのではないかと不安に思っている。仕事を
放棄してでも手術はするべきでしょうか？
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以上、メールでの質問を転載させて頂きました。　黒猫

インプラントの問題は答える方も非常に難しいです。
歯科医の中でもインプラントに対して肯定派と否定派に別れます。
私は基本的に否定派であり、それを念頭に置いて読まれて下さい。

インプラントは、さまざまな種類がありますが、共通して言える事は身体
にとって見れば「異物」です。身体は異物が入ってきたときに、それを
殺したり、排除したりしようとします。その反応の一つが炎症です。
インプラントを入れた所に炎症を起こさせないために、完璧なプラークコントロールが
要求されます。実はこれが一番難しく、大変なのです。
インプラントを入れた場所は、何がしかの原因で歯を失ってしまったわけですよね？
その原因の一つはプラークコントロールの不備による虫歯や歯周炎でしょう。
つまり、プラークコントロールに関しては今まであまり上手ではなかった方に対して
完璧にして下さい。っていうのは難しいですよね。
プラークコントロールが完璧でなければ、骨が腐ってきてしまいます。
これらのデメリットを受け入れられる、それほど取り外し式の入れ歯が嫌だ
という方にはインプラントは有効だとは思います。
少なくとも「これで一生大丈夫」とは言いませんが。
　
さて、貴殿のケースですが、骨髄炎の可能性があるならすぐに手術された方が
良いと思います。東京医科歯科の先生が「本当に抜いてもいいですか？」と聞かれたのは、デメリットを受け入れられますか？　という意味だと思います。
もう一度、先生と良くお話になって下さい。
デメリットはあくまで「そうなる可能性を含む」ということであり、手術＝仕事の放棄
とはならないと思って良いと思います。
可能性は否定できませんが。