教えてください！　
　９歳の娘のことです。右奥下の６歳臼歯がちっとも生えてこないと思っていたら、最近ようやく出てきました。
　ところが、その６歳臼歯、手前の歯の方へ傾いて生え、半分くらいしか出てこられない様子。
さらに、その奥の１２歳臼歯が６歳臼歯の方へ倒れこみ出し、また、問題の６歳臼歯が短いせいで、噛み合わせる上の６歳臼歯が長くなってきてもいます。
　近所の歯科医師のすすめで、矯正歯科を受診しましたが、説明を聞いて困りました。我が家は転勤族なので、長く同じ医院に通いつづけることができません。全国ネットで転居先を紹介できるとは聞きましたが、転居先から紹介医院へ通えるかどうかは定かではありませんし、また、支払った治療費も転院する際の返金はほんのわずかです（最高額で３割程度）。転院のたびに７割の治療費を捨てるというのでは、やり切れませんし、経済的に続きません。転勤周期は、半年ですから。
　わが娘のような症例を、歯科矯正以外の方法で、機能的に問題のない状態にすることはできないのでしょうか？　どうか、教えてください。

こんにちは、私は小児歯科と矯正を行っている歯医者です。
　あなたのお子様の状態は、矯正治療する場合も難しいものと推察されます。さらに、親知らずが顎の骨の中にあるようでしたら、その影響もあらかじめ考えておく必要があると思われます。６才臼歯と１２才臼歯が両方とも手前に倒れているものと思われますので、なんらかの矯正装置をつけて歯並びを直すというのが一般的に考えられる方法でしょう。その場合、１から２ヶ月おきに歯科医院に通わなければならないので、転勤族の方には問題が大きいですね。矯正をされている方の中には飛行機で通ってこられる方もいます。矯正装置が壊れた時の応急処置を自分や家族ができるようになれば、２から３ヶ月毎の通院で可能かもしれませんね。
　その他の外科的な方法として、手前に倒れている歯の後ろにある骨を削り取って、その場で歯を起こして固定するという方法があります。これは大学病院の口腔外科専門のある先生が行っている方法ですが、注意点として歯の神経が死んでしまう可能性があるので、歯が未完成の時に行わなくてはなりません。また、歯の上の面（咬合面と言います）を少し削って上の歯との当たり方を調整する必要があります。また、１２才臼歯の後ろに親知らずがあれば、それも同時に抜く必要もあります。
　また、どちらも無理であれば他の方法としては、お子さんが大学生になってから大学の近くの矯正の先生に相談することも一つの方法と思います。それまで、虫歯や歯肉炎などにならないよう十分に口の中の清掃をする必要があると思われます。

　早々にお答えありがとうございます。
外科的な方法というのは、話をきくだけで、ちょっと怖い気がします。
いわゆる手術ということになるのでしょうか。
素人考えですが、歯は頭に近い所でもあるし、手術の際には麻酔も…と思うとしり込みしてしまいます。
また、大学生頃までこのままほおっておく勇気もなし…。
となると、やはり遠距離通院を覚悟の矯正治療ということになるわけですね。
転居したら、転院が当たり前と思っていましたが、そうでもないとは意外でした。通院に費やす交通費や時間はかなり大きな負担になると想像しますが、それが最良の方法ならいたしかたないかな。
　解決策をいただけて、有難く思います。相談してよかったです。
　ありがとうございました。